天気雨が通り抜けた後、気温はさらに上がっていった
忘れていたように蝉が鳴き始めた
8月の太陽は、強すぎるほどに照りつけ、吹き出す汗は何かの病気のように熱を発し続けている
辛い
吹き出す汗や太りすぎた体やこもりすぎた熱で発する汗のような屈辱が体に何も合わない
こんな汗買わなくとも良いではないか
こんなにも汚い汗を買わなければ、或いは太りすぎた体から元の痩せた体に戻るのではないか
懐疑は止まず、人間で一人もいない熱や赤面や汚い汗にこめられた憎しみにゾッとするのである
汚い
一人もいなかった
という検索結果からどれだけの歳月が経つのだろう
何がこんなことを繰り返すのか調べてみたのだが、狂人の母さんというものが、人間で一人もいなかったことばかりを繰り返し続けていた
知り合いなら或いは起きないのではないかと考えてはみたのだが、老いた親や狂人を産んだ知り合いなどが、やはり人間で一人もいないことを繰り返していた
不幸というものだ
人間でない奴隷として生まれた生き物か或いは狂人の母さんか
どちらにしても自分とは無関係だ
人間は、生まれた時既に人間だからである
そんなにも不幸な人間は、本当にいなかった
どこにも
人間というのは、もっと幸せで自由なものだ
重なり合い連鎖することがあっても、覗いて人間の想像を超えた不幸から這い出せないものもいない
荒れ果てた台所に転がる数多のゴミ
バタバタと動物が飛び出す音が真夜中の台所に響く
ギャーギャーという信じ難い鳴き声と潰れて死んでいく叫び声が、真夜中の台所に響く
ジャングルに座っているような心地だ
荒れ果てた廃屋が、移動自動車のように背後から飛び出してきてからというもの、台所は荒れ続けている