閑叟乗玄(かんそうじょうげん)上人

閑叟乗玄(かんそうじょうげん)上人

養國寺 開山

上人は京師の人「龍藝上人」に師事し、圓福寺の学窓にありて研鑽し、学成り知徳共に高く、衆の推す所となりて版首に座し常に師に代わりて講授す。 師の龍藝上人が三河に移錫せらるるや隨い来たりて衆を督して四方に巡化す。

上人がこの地に化導せらるるや道俗群衆して其の化を受く、上人此処は有縁の地なりと錫を留めて当山(養國寺)を開き盛んに法釋を潤す。

 

在住31年。 先師、「龍藝上人」の遷化に遇い、其の後、鉢地山に移り、菩提院に閑居し、専ら浄業を修し、獨り垂終の日を待ち以て楽しみとせり。 嘉吉3年(1443)五月七日法弟を集めて予め滅日を示し、端然佛号を称し、初夜の更、眠るが如く座化し給へり。 春秋78歳。